日テレ取材班遭難、ひとつの死がさらなる死を招く

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多重遭難

7月24日、
埼玉県秩父市大滝の山中で沢登りをしていたグループの女性が滝つぼに転落。

7月25日、
女性を救助するため、現場に到着した県防災ヘリコプターが墜落。

そして、7月31日、
遭難・墜落事故現場を取材中だった日本テレビ報道局記者が遭難、翌1日、心肺停止の状態で発見。


まず、死の連鎖の元になった沢登りをしていた団体が、
なぜ、救助要請が翌日朝だったのか、救助が来るまでの間、滝つぼに落ちた女性どうだったのか、
不明なことがいろいろあるのですが、その後に連鎖した事故が大きくて伝わってきません。
多重遭難の大元なので、詳しい続報を望むところです。


さて、報道記者の遭難については産経新聞が特集されていますので、現時点までをまとめておきます。

2010.8.1 10:18

日テレ記者ら2人、秩父ヘリ墜落事故現場で遭難 心肺停止

 埼玉県秩父市大滝の山中で発生した県防災ヘリコプターの墜落事故現場付近で、事故現場を取材中だった日本テレビ報道局記者、北優路さん(30)=さいたま市浦和区=と、カメラマンの川上順さん(43)=東京都江東区=が遭難し、1日午前9時10分ごろ、心肺停止の状態で見つかった。

 県警秩父署などによると、ヘリコプターの墜落事故現場から下流へ約1・5キロ離れた沢で、県警山岳救助隊員が2人を発見。
約50メートル離れた場所にあったリュックサックから北さんと川上さんの免許証なども見つかった。

 2人は7月31日午前6地半ごろ、県防災ヘリ墜落事故現場を取材するため、日本山岳ガイド協会の男性ガイド(33)とともに秩父市大滝の林道から入山。
墜落事故現場に向かったが、ガイドが「水が冷たく、2人の服装が軽装で近づけない」と判断し、午前10時前にいったん引き返していた。

 しかし、2人はその後、ガイドに「ちょっと黒岩尾根の写真を撮ってくる」と言い残し、2人だけで再び入山。
2人は沢登り用の靴を履き、業務用無線を所持していたものの、着衣はTシャツとジャージーの軽装だったという。

 ガイドは2人に「午後2時ごろまでに戻ってきた方がいい」と伝えていたが、2人は下山予定の午後6時を過ぎても戻らず、日本テレビが午後11時ごろ、県警秩父署に救助を要請、1日早朝から県警ヘリや山岳救助隊が捜索していた。

 墜落事故現場は険しい山岳地帯で、県警は墜落事故発生後、報道機関に対し、
「3次災害を防ぐため、極力山には入らないでほしい」
と求めていた。


2010.8.1 17:05

【日テレ取材班遭難】「まさに自殺行為だ」 軽装の入山にベテランガイド絶句

 「素人だけで行くような場所ではない。まさに自殺行為だ」。
埼玉県秩父市の山中で発生した県防災ヘリコプターの墜落事故現場を取材中の日本テレビ記者、北優路さん(30)=さいたま市浦和区=と、同カメラマン、川上順さん(43)=東京都江東区=の2人が遭難し死亡した事故で、周辺などで約20年にわたり山岳ガイドを続ける男性(44)は、軽装で山に挑む危険を指摘した。

 男性によると、2人が見つかった場所の周辺は、この時期でも川の水温は5~6度程度だという。
「長時間水に漬かると低体温症になり、体が動かなくなる。
防水加工をほどこした装備が必要になる」
 Tシャツとジャージー姿だった2人の発見現場は、墜落現場まで4~5キロ離れた川の岩場地帯で、近くの登山道からも約500メートル離れている。
男性は、上流の墜落現場へ向かうためには、ロープなど沢登り用の十分な装備が必要だと指摘。
「2人はとにかく軽装だ」と絶句する。

 県警によると、死亡した2人と日本山岳協会の男性ガイド(33)の3人は7月31日午前6時半ごろ、ヘリ墜落現場から直線距離で約5キロ離れた駐車場に車を止め、林道を約1.5キロ歩いて現場へと向かった。
林道近くの川の様子を見た男性ガイドは「危険だから引き返そう」と2人に入山の自粛を求め、一度は3人で駐車場付近まで下山したが、2人は「写真を撮ってくる」などと言い残して再び入山したという。

 山岳ガイドの男性は
「同行してたガイドも危険は熟知していたはず。
なのになぜ2人から離れてしまったのか」
と首をかしげる。


2010.8.2 09:29

【日テレ取材班遭難】一人分の荷物だけで再入山か



 埼玉県秩父市大滝の県防災ヘリコプター墜落事故現場へ取材に向かった日本テレビ記者の北優路さん(30)とカメラマンの川上順さん(43)が遭難、死亡した事故で、2人がガイドを残して再び入山した際、1人分の荷物しか持っていなかったことが2日、捜査関係者への取材でわかった。

 秩父署によると、2人は7月31日午前6時半ごろ、山岳ガイドの男性(33)と墜落現場を取材する目的で、秩父市大滝の林道入り口から出発。
現場へ向かっていたものの、午前10時には2人が軽装だったため、ガイドの判断でいったん下山した。

 しかし、その直後、2人は「現場を撮ってくる」などと言ってガイドを残し、再び入山。
捜査関係者によると、その際2人は、1人分の荷物をガイドに預けたという。

 2人が心肺停止状態で発見された場所から約50メートル下流の沢でリュックサックが1つだけ見つかった。
中には、2人の運転免許証が入っていたが、服は1人分しか入っていなかったとみられる。
また、2人は現場周辺の地図も持っていなかったという。

 秩父署の調べでは、2人は発見時、Tシャツがめくれてズボンもずり落ちたような状態になっており、同署は2人がいずれかの場所で沢の流れに飲み込まれ、発見現場まで流された可能性があるとみている。

 秩父署は2日、2人を司法解剖して死因を調べる。
同署によると、検視の結果、北さんの頭には打撲痕があったことが判明している。
また、同署は同日早朝から、現地にガイドを連れて入山ルートの確認などを行う予定だったが、天候不良のため中止した。


2010.8.1 19:02

【日テレ取材班遭難】「相当の経験、技術必要」警鐘鳴らす専門家ら

 埼玉県秩父市の山中でヘリコプター墜落事故の現場取材に向かった日本テレビの記者ら2人が遭難した事故。
同社は「適正な装備、態勢を取ることで取材は可能と判断した」と説明しているが、山の専門家は
「簡単に登れる場所ではなく相当の経験、技術が必要だ」
と警鐘を鳴らしている。

 現場近くの沢を登ったことがあるという埼玉県山岳連盟の天野賢一理事長などによると、付近はかなり山深く、急峻な沢が続き、経験者でも登るのが困難。
沢登りにはヘルメットやロープのほか、ぬれても体温を奪われないような服装、たき火で服を乾かす技術などが必要という。

 現場付近に詳しい関係者によると、平地で気温が35度あっても、現場付近の沢では約18度、水温は約13度にまで下がるという。
熊谷地方気象台によると、2人が入山した7月31日、秩父市周辺には雷注意報が出ており、埼玉・山梨の県境付近は午後以降、断続的に雨が降っていた。


2010.8.1 21:18

【日テレ取材班遭難】「危険で難しいコース」ショック受ける県警幹部

 日本テレビ報道局の記者北優路さん(30)ら2人が発見されたのは、埼玉県秩父市の山中、標高約千メートルの沢。
大きな岩や切り立ったがけが多く、元山岳救助隊員の県警幹部ですら「危険で難しいコースだ」と話す。

 1日午後2時15分ごろ、県警のヘリコプターが発見現場付近で1人ずつつり上げ、いったん近くのドライブイン駐車場へ。
通り掛かった同県秩父市の女性(42)は「1週間前に墜落事故があったばかりなのに…」と驚いた様子。

 同県皆野町の病院で死亡が確認された後、2人の遺体はワゴン車に乗せられ秩父署に到着。
さいたま支局時代の北さんを知る県警幹部は
「大変なことになった。ショックだ」
と肩を落とした。


2010.8.1 21:20

【日テレ取材班遭難】子煩悩な父親の北さん 川上さんは山岳第一人者

 埼玉県秩父市の山中で1日に発見された日本テレビ報道局社会部の記者北優路さん(30)は7月にさいたま支局から本社に異動したばかり。
3人の子どもがおり、周囲の印象は「子煩悩な父親」だった。

 日本テレビによると、北さんは警視庁、埼玉県警の記者クラブを経て、本社に異動する際には「埼玉県が気に入って、浦和に家を買おうと思う」と親しい記者仲間に話していた。
杉本敏也報道局次長は1日の記者会見で「最近は後輩の指導役だった」と話した。

 北さんと一緒に発見された映像取材部のカメラマン川上順さん(43)は「山岳取材のスペシャリスト」だった。
川上さんは富士山や八甲田山、海外でもアラスカなどで取材経験があった。
杉本局次長は川上さんについて
「有事取材を想定した山岳取材班のキャップで、富士山などで訓練をしてきた」
と語った。


2010.8.1 22:04

【日テレ取材班遭難】NHKも取材で入山「入念に準備した」

 NHKは1日、埼玉県秩父市のヘリコプター墜落現場に、カメラマンらが7月26日に入山して取材、この日夜のニュースで放送したと明らかにした。

 NHK広報部によると、入山したのは、山の経験が豊富なベテランのカメラマンや音声・照明の担当者ら計4人。
「きちんとスケジュールを組み、入念に準備した」としている。


2010.8.2 11:35

【日テレ取材班遭難】2時間で死亡…夏山も危険な「低体温症」 専門家警告



 今回の遭難では、死亡した日本テレビ記者ら2人が再入山する前、山岳ガイドが沢の水の冷たさや記者らの軽装ぶりから危険と判断し、引き返した経緯があった。
山に詳しい専門家は、夏山に関し
「昨年の北海道・トムラウシ遭難でも話題になったが、条件がそろえば夏季でも『低体温症』で死に至る」
とし、改めて警鐘を鳴らす。

 専門家は、低体温症の条件として「低温・濡(ぬ)れ・風」の3要素を挙げる。
山間部の沢の水温は都会では想像できないほど冷たく、
「水温5度の水につかった場合、死に至る時間の平均値は約2時間弱といわれている」
と警告する。

 また、険しい山岳地帯では滑落の危険もつきまとうことから、専門家は「慎重な行動をとり、場合によってはロープによる確保技術を備える必要がある」と指摘。
「見落としがちだが食事も大切で、空腹での長時間行動は判断力を低下させ、熱量も不十分になる」
といい、
「季節や山域を問わず、十分に準備することが登山の基本だ」
としている。



明日は我が身、合掌。
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