300m滑落して助かった英登山家
2011 / 02 / 02 ( Wed ) 十数m落ちて亡くなる人もいれば、300mも滑落する間、3度以上、崖から落ちたのに擦り傷だけで助かる人もいます。
スコットランドのお山で起きた、イギリス人の登山家が運よく助かったお話。 Guardian Newsから、
記事によると、イギリス人の登山家 アダム・ポッター さんが、スコットランドの Sgurr Choinnich Mor(スガー・チョイニック・モル) というお山で起きた奇跡の出来事。 スガー・チョイニック・モル。 ![]() アダムさんは登山もするし、カヤックもこなすスポーツマン。 比較的ランクが低いスガー・チョイニック・モルに登ろうと、友人と愛犬を連れて出かけた時に起きた事故でした。 天気も良いし、雪も柔らかいので楽だろうと思ってたそうです。 雪尾根の上で食事を済ませ、さて、と歩き始めた瞬間、 足を滑らせ、急斜面を転落した彼の体は途中、30m程の小さな崖を3度以上、落下。 雪の斜面で滑落した時、ピッケルを雪に突き立てて踏ん張ってブレーキをかけたりしますが、 アイゼンもピッケルもこれから、って時で、ピッケルはリュックに固定したままでした。 手足を使って必死でブレーキをかけようとしたけれど、止まることなく、さらにはゴロゴロ、体が転がり始め、 自分のかかとが頭に当たるくらい、体はねじれ、ああ、もう死ぬなぁ…とあきらめたそうです。 標高800mの崖っぷちまで落ちた時でした。 そこは傾斜がわずかに緩やかになった場所で、雪もクッションとなって停止することができました。 体はもうダメだろう、と思ったら、全然そんなことはなくて、 顔は血だらけ、首は鞭打ち、背中は打ち身、肩がちょっとねじれたぐらいで済んだんだそうです。 崖っぷちに立って地図を見てたら、一緒に登ってた友人が通報して飛んできた、イギリス海軍のヘリが現れました。 パイロットは重症か死んでるだろうと、最悪のシナリオを想定して飛んできたので、 元気なアダムさんの姿を見た時、この人は違うなぁ…、と思って素通りしちゃいました。 でも、斜面を見ると、3つの崖の間にアダムさんの装備品が点々と残されていて、 ああ、やっぱりさっきの人がそうなんだ、と気付いて引き返し、無事、救助されました。 グラスゴーの病院に運ばれたアダムさんは、自分はラッキーだったと語り、 落下してる間のことは、最初の崖を落ちたのは覚えてるけど、2度目、3度目は覚えてなくて、 崖を落ちた時点で死を覚悟したそうです。 山岳救助隊のジョン・スティーヴンソンさんは、 「彼は非常に幸運な男性。雪がショックをやわらげてくれたおかげで助かったに違いない。」 「雪で滑って、雪で助けられた」 と皮肉を込めて語っています。 スコットランドのお山では、2008年に20件、2009年に27件の滑落事故があるそうです。 大勢が命を落としているにもかかわらず、奇跡的に生還したアダムさんですが、 体が元に戻ったらまたお山に登りたいそうです。 あと、記事の後半では、奇跡的な生還事例を数例、アップされてます。 そのなかに、間もなく『127時間』という邦題で公開される映画の元ネタになった事例も紹介されてます。 『127時間』はアカデミー賞にノミネートされたすんごい映画なので、また今度ご紹介しますね。 『127時間』を始め、お山からの生還劇は絵になるらしく、映画化された物語は少なくないです。 でも、今回のアダムさんはあまりに奇跡的すぎて、骨も折れてないし、すぐにヘリも飛んできてくれたし、映画化は無いなぁ…。 |
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