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トムラウシから2年 疲労凍死を防ごう
2011 / 07 / 22 ( Fri )
早いもので、北海道トムラウシで大量遭難が起きてから、もう2年。

真夏に低体温症で次々に命を落とすという、お山の怖さを改めて思い知らされた事故でした。
(その後、裁判沙汰に発展、道警による捜査も継続中なので、事故と云うより、“事件”かな)

山岳遭難救助アドバイザーを務めるお医者さんのとってもためになるお話が掲載されてましたので、載せておきます。

朝日新聞から、

トムラウシ山 遭難防げ 8人凍死から2年

パトロールに出発する道警の山岳遭難救助隊員ら=美瑛町のトムラウシ登山口■道警がパトロール

 大雪山系トムラウシ山で8人が凍死した遭難事故から16日で2年がたった。
道警の山岳遭難救助隊はこの日に合わせ、2泊3日の縦走ルートをたどる安全パトロールに出発した。

 「この天気予報だと、遭難事故のときと同じくらいの低温になる可能性もある」。
救助隊長を務める道警地域部の村上富一指導官(54)は言った。
あいにくの雨の中、村上さんらは登山者に行き先や防寒具の有無などを尋ねながら山道を進む。
同隊によると、遭難事故の後もトムラウシ山は中高年登山者を中心に人気があり、この3連休中もある程度の人出が予想されるという。

 パトロールには、国際山岳医で6月に道警の山岳遭難救助アドバイザーとなった大城和恵さん(43)も同行した。
アドバイザーは、衛星携帯電話などで隊員に救助や搬送の方法を助言するのが役目だ。
今回は特に中高年の登山者らの健康や食事にも注意を払うといい、
「皆さんが何を食べ、どういう休憩をしているのか。登山者の体力や技術を見たい」
と話した。

 2年前の遭難事故で、ツアー客らは事故前日に雨の中を16キロ歩き、ぬれたままの服で寝た。
夕食、朝食ともにインスタントの食品などと比較的、貧弱だった。
そして強い風雨の中で出発を強行。
ガイドは引き返す判断をせず、一行は身動きがとれなくなった。

 ガイドの判断、日程に予備日を設けないなどのツアー会社の安全管理は適切だったのか――。
道警の捜査は続いている。

 道警によると、今年6月の道内の山岳遭難は9件12人で昨年同期より4件7人多い。
春の低温で雪渓が例年より多めに残り、道に迷って救助を要請する人が目立つという。


■引き返す決断 重要
■低体温症 まず注意
■山岳遭難救助アドバイザー 船木医師に聞く

道警が始めた山岳救助アドバイザーに就いた船木上総医師 夏でも冬の寒さになる道内の山々。
遭難事故を防ぐためには、どんな点に注意すればよいのか――。
道警山岳遭難救助アドバイザーで、低体温症に詳しい苫小牧東病院副院長の船木上総(かずさ)医師(55)に聞いた。

 ――低体温症とは。

 「雨や風で体の熱が奪われて体温が35度以下に下がり、運動や意識障害など様々な症状が起きることを言う。
誰もが簡単に発症する恐れがあり、発見が難しいのが特徴だ」

 「疲れでパーティーから遅れる人がいたら低体温症を疑ってみるべきだ。
1人が発症したら、ほかのメンバーも発症している可能性が高い。
次々に発症しがちなので注意が必要だ」

 ――疲れや眠気など症状が出た場合の対処法は。

 「すぐに1着余分に着る。
風の当たりにくい場所に避難し、お菓子を食べたり、温かいものを飲んだりする。
着替えやダウンなどの防寒着をはじめ、性能の良い素材のカッパ、手袋、帽子などの装備、1日分多めの食料を準備する。
保温のためのアルミシートや簡易テント、アミノ酸のサプリメントも有効だ」

 ――トムラウシ山遭難事故から2年。
登山者は何を学ぶべきでしょうか。

 「早めに引き返す決断の重要性だ。
登山の完遂にこだわらない。
スケジュールに予備日を設ける。
歩きが遅い人がいてもパーティーを分裂させない。
雨風の当たる場所に停滞しない。
当日朝や前日の食事をしっかり取る・・・・・・」

 「事故から生還した人はバスタオルに穴を開けてかぶってシャツ代わりにしたり、ポケットに多めのお菓子を準備したりして防寒やカロリー摂取の対処が早かった。
天候の悪いときはまず『低体温症に気をつけなきゃ』と意識する。
これを登山の常識にしてほしい」

《キーワード》
◆トムラウシ山遭難事故

 日本百名山の一つである大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で2009年7月16日、東京の旅行会社「アミューズトラベル」が主催する登山ツアー(客15人、ガイド3人)が遭難し、客7人とガイド1人が凍死した。
客はいずれも道外から参加した55~69歳の中高年の男女。
暴風雨の最終日に下山を強行し、低体温症で思考や運動能力を奪われた。
ツアーは2泊3日で四十数キロを縦走する計画だった。


低体温症は真夏の四国のお山だって起こりえます。

夏休みのまっただ中、四国カルストからの帰り道、
カッパを着てても肌を刺すような冷たい雨に襲われたことがあります。

通り雨でしたが、周囲の気温もどんどん下がってました。

お腹もすいて疲労困憊、雨具もない状態だったら疲労凍死もありえた、体温を奪いまくる危険な雨でした。

人間は体温がちょっと下がっただけで、動けなくなるし、思考能力も低下します。

あれ?あれ?って思っているうちに行動不能に陥ってしまうのが低体温症の怖いところ。

トムラウシの事故に関しては、ガイドやツアー会社の不備を指摘する方も多いのですが、
衣服を極力濡らさないように自己管理し、体温を保てた方が助かったことは否めません。

セルフレスキューがお山の基本。

自分の命は自分で守らないと。
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