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剣岳の錫杖はどこにあった?
2011 / 07 / 25 ( Mon )
今回は映画『劔岳 点の記』に登場した 錫杖 のお話です。

山頂で発見されたあの錫杖は平安時代のもので、山伏が置いていったものだろうと云われています。

そもそも、登山が娯楽の一つとなったのは江戸時代以降で、
大昔から山は信仰の対象で、主に修験者らの修行の場となっていました。

難攻不落と思われていた劔岳も、遠い昔に命がけで登った山伏らがすでにいたのです。

その証拠の錫杖は、一緒に発見された鉄剣共々、重要文化財に指定され、
現在は立山町にある立山博物館に展示されています。

発見したのは 柴崎芳太郎 率いる陸軍の測量隊ですが、
実際に山頂のどの辺りで見つかったのか、詳しい場所は分かっていないんだそうです。

そこで、富山県埋蔵文化財センターの職員らが山岳信仰の調査もかねて劔岳山頂付近での調査を開始したそうです。

中日新聞から、

剣岳 錫杖発見場所探せ 富山県の文化財センター

明治時代に剣岳山頂付近で見つかった錫杖(右)と鉄剣(立山博物館提供)明治時代の測量で有名 世界遺産挑戦の資料に

 富山県埋蔵文化財センターは21日、北アルプス・剣岳(2999メートル)の山頂付近で明治時代に測量隊が発見した錫杖(しゃくじょう)と鉄剣があった場所を探す調査を始めた。
剣岳での山岳信仰の調査は初めて。
職員二人と山岳ガイドが立山・室堂から剣岳へ向かった。

 錫杖は頭部だけ見つかり長さ13.4センチ、鉄剣は長さ22.6センチ。
錫杖は平安時代初期につくられ、山岳信仰の修行者が奉納したものとみられる。
立山博物館(立山町)に展示され、国の重要文化財に指定されている。

 1907(明治40)年に陸軍参謀本部の測量官柴崎芳太郎(1876~1938年)が剣岳山頂に三角点を設けるため登頂した際、発見した。
剣岳は当時、人跡未踏と信じられ、柴崎が初登頂のはずだったが、錫杖の発見で既に登頂者がいたことが分かった。
この時の話は、新田次郎の小説で映画化された「剣岳 点の記」でも取り上げられた。
ただ、見つかった詳しい場所は分かっていない。

 調査は立山黒部の山岳信仰や砂防、発電に関する遺跡を把握する昨年度からの5カ年計画の一環。
富山県の目指す、世界文化遺産への登録に向けた基礎資料とする。

 センター職員ら三人は二泊三日の日程で柴崎測量隊と同じ長次郎谷ルートで剣岳を登り、山頂付近の平たんな場所で山岳信仰遺跡の痕跡を調べる。
錫杖発見場所の探索は、山頂付近の地形を撮影して文献と比較するなどし、特定を目指す。
今回は来年度の本格調査に向けた下調べで、調査方法と範囲を決める。

 センター調査課係長の高梨清志さんは「測量隊の残した記録と現状との違いを調べたい」と話し、剣岳に向かった。


おやおや、劔岳も世界文化遺産への登録を狙ってるんですね。

砂防、発電に関する“遺跡”ってなんだろう? 近代遺跡?


映画のクライマックスに登場する錫杖。

初登頂じゃなかったんだぁ…、となる重要なアイテムでした。

あくまでも初登頂に執着していた陸軍は、わらじ姿の山伏に先を越され、メンツをつぶされた格好で、
柴崎らをねぎらう余裕もありませんでした。

映画では、山伏の言い伝えをもとにルートが拓かれていくので、
主人公らが初登頂じゃなくてもそんなにがっかりしないというか、やっぱり、というか、
偉大な先達に敬服する感じが素敵でした。


『劔岳 点の記』、思い出したら、また見たくなりました。
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