夏休みも終わりましたが、遭難に終わりはないようで、数は多くないもののまだちょろちょろと起きてます。
が。
落石など不可抗力に遭遇した事故ではなく、登山者側に何らかの落ち度があるのではと思える事故が目立ちました。
8月30日(火)産経新聞・関西から、大峰山系で遭難か 八尾の男性
29日午後6時50分ごろ、奈良県上北山村の大峰山系に登山に入った大阪府八尾市田井中の無職、冨田則雄さん(63)が予定を過ぎても帰ってこないと、妻が奈良県警中吉野署に届け出た。
同署は冨田さんが遭難した可能性もあるとみて、30日早朝から捜索を始める。
同署によると、冨田さんは28日午後から1泊2日の予定で1人で同村の和佐又山(わさまたやま)に入って1泊し、29日午前7時ごろに宿泊先を出発。
同日午後4時半に同県天川村にタクシーを手配していたが、待ち合わせ場所に現れなかったという。
続報:
産経新聞・関西から、大峰山系で男性一時遭難
奈良県上北山村の大峰山系に28日から登山に入った大阪府八尾市田井中の無職、冨田則雄さん(63)が下山予定を過ぎても帰ってこないと、家族から奈良県警中吉野署に届け出があり、同署などは遭難した可能性があるとみて30日朝から捜索、同県天川村の国道で自力で下山していた冨田さんを発見した。
けがなどはないという。
和佐又山
8月31日(水)共同通信から、大雪山系で男女3人を救助 トムラウシ山から下山中
北海道の大雪山系トムラウシ山で8月31日、東京都渋谷区の佐藤致次さん(72)、横浜市青葉区の篠原明彦さん(72)ら3人が下山できなくなり、新得署員らが1日未明から捜索、山中で3人を救助した。
いずれもけがはない。
新得署によると、佐藤さんらは仲間5人で、8月31日午前4時ごろ新得町の登山口から入山。
下山中に佐藤さんが疲れて動けなくなったため、3人が残り、2人が下山して同署に通報した。
捜索した署員らが1日午前5時45分ごろ、登山口から約2キロのカムイ天上付近の登山道で、座り込む3人を見つけた。
トムラウシ山
あの大量遭難が起きたトムラウシなのに。
のど元過ぎれば…、でしょうか。
9月3日(土)読売新聞から、富士山なめていた…軽装登山の大学生ら4人救助
3日午前4時頃、富士山に登山中だった広島市内の男子大学生(22)ら4人から
「風雨が強くて身動きがとれない」
と110番があった。
静岡県警富士宮署の山岳遭難救助隊員らが約5時間後、8合目(標高約3250メートル)付近で4人を救助した。
けがはなかったが、午前4時の富士山頂付近の気温は約8度。
4人は、台風12号の接近は知っていたが、いずれもフリースにひざ丈のスパッツ、スニーカーなどの軽装で、
「富士山をなめていた。申し訳ない」
と話しているという。
同署の発表によると、4人は高校時代の同級生で、「富士山のご来光を見よう」と、広島市内から乗用車で5合目に到着。
3日午前1時半頃から登り始めたが、風雨が強まり、携帯電話で救助を要請した。
毎日新聞から、遭難:富士山で4人立ち往生 県警救助、全員無事
3日午前4時ごろ、富士宮市粟倉の富士宮登山口から富士山に登っていた4人の男性グループから、
「風と雨が強くて寒い。八合目付近で山小屋に入れなくて困っている」
と携帯電話で110番があった。
4人は近くにある無人の診療小屋に避難し、救助に来た県警山岳遭難救助隊らの付き添いで約8時間半後に下山した。
低体温症の疑いで全員病院に運ばれたが、意識ははっきりしているという。
富士宮署によると4人は友人同士で、広島市の22~23歳の大学生やフリーター。
午前1時半ごろ入山し、登っている途中風雨が強まってきた。
半ズボンやスニーカーなどの軽装で、雨具もあったが登山用ではなかった。
4人は、
「登山口では雨風が弱く、台風が西にそれたから大丈夫だと思った」
と話しているという。
同署は、「山の天気は変わりやすく、登山口が良い天気でも登ると悪天ということは多い。
今回のように台風が来ている時は入山を控えてほしい」と話している。
こういうこったから、救助捜索費用を遭難者負担に、という話が尽きないんだと思います。
インターネットお天気サイトの「雨雲レーダー」画面で雨雲の動きを確認するのは登山者の間では常識中の常識。
お山の天気は変わりやすい、も常識。
台風がいようがいまいが、日本晴れでも確認してみる。
登山は準備が大切です。
富士山は独立峰で周囲に遮るものがありません。
大気変動が強風となってまともにぶつかります。
富士山山頂では、なんと、72.5m/sという、日本の最大風速が記録されたくらいですから、
8月いっぱいでほとんどの山小屋が閉じちゃうことも常識なんだけどね。
今年も5日には登山道もクローズ。
美麗な姿と裏腹に、なめてると死にます。
でも、登山の常識なんて、みんながみんな知ってるわけじゃない。
いろんな人がいるんだから、登山者のせいにしてても、悪循環は断ち切れないと思います。
ビジターセンター的なものを登山口に常駐させて軽装な登山者に必ず声をかけるようにしたり、
登山道のど真ん中に明らかに危険だと分からせる看板を立てるとか、
無知な人を登らせない“関所”みたいなものを設置すべきだと思います。
9月4日(日)北日本放送から、立山で男性が行方不明
北アルプス立山に登山に出掛けた京都府の28歳の男性の行方がわからなくなっていて、県警山岳警備隊では5日朝から捜索を行うことにしています。
行方が分からなくなっているのは京都府京都市の国立大学職員神田隆志さん(28)です。
上市警察署によりますと、神田さんは、先月26日まで職場で仕事をし、29日から31日まで夏休みを取っていましたが、今月2日になっても出勤してこないことから連絡を受けた家族が、神田さんの自宅を確認したところ、神田さんの姿はなく登山道具が無くなっていたということです。
京都府警から連絡を受け、上市警察署が北アルプス立山周辺の山小屋へ確認したところ、先月27日に平ノ小屋に宿泊していたのがわかりましたが、それ以降の足取りがわからなくなっているということです。
このため県警山岳警備隊では5日朝から捜索を行うことにしています。
平ノ小屋付近
個人的なことですが、
平ノ小屋は釣り師を職業とする方が代々やっておられる山小屋で、
釣りたてのイワナを使った料理が絶品とのことで、一度行ってみたいんですよね。
行方の分からなくなった方も、イワナ、きっと食べたんだろうなぁ。
イワナ・パワーで、無事でいて欲しいなぁ。
5日時点での続報ですが、5日の捜索でも発見には至らなかったとのこと。
男性は「水晶岳に向かう」と話していたことが、山小屋での聞き込みで判明しています。
家族に登山に行くことも、行き先すらも知らせていなかったことが、初動捜索の遅れを招いています。
せめて、家族には○○山へ行く、いつ帰る、くらいのことは伝えたり、書き置きしましょう。
自業自得って言葉があるけど、ちょっとしたことを守るだけで、登山は“得”だらけに。
ザックのほかに“業”なんか背負いたくないぞ!
読売新聞から、毒キノコで7人食中毒…登山途中採取、みそ汁に
山形県食品安全衛生課は4日、山形市内で登山をしていた県内の男女12人のうち、7人が毒キノコが原因の食中毒を起こしたと発表した。
毒キノコによる食中毒は、今年初めて。
発表によると、一行は、登山の途中で食用キノコのヒラタケと似たキノコを採取。
みそ汁の具にして食べたところ、7人が嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え、2人が病院を受診した。
現在は快方に向かっているという。
保健所が、キノコの残りを調べた結果、毒キノコ「ツキヨタケ」と判明した。
今年も
ツキヨタケ のシーズンが来ましたか…。
キノコは危ない、危ない…。
明日は我が身。
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