登山道は譲り合い、思いやりが安全第一
しゃっしゃと追い越してくランナーの後ろ姿を凄いなぁって見送ったこともあったりしますが、
そんな走るランナーと歩く登山者の間でちょっとした摩擦も起きているようです。
朝日新聞AERAから、
一触即発?「トレラン」と登山客に険悪ムード 共存の道は
山を走る「トレラン」こと「トレイルランニング」が大人気だ。
自然の中を走る爽快感は病みつきになる。
一方、歩くハイカーとの間では険悪なムードが漂う。
「共存」には、最低限のマナーが必要だ。
トレランの醍醐味は、山道をくだるときだ。
つらいのぼりを息弾ませながら極めた後、くぼ地や溝に足を取られないようにステップを踏んで下りていく。
いくつも山を越え、足は棒のように突っ張ってくる。
ヘロヘロになりながらも、制限時間内のゴールを目指す。
その過程が苦しいほど、喜びは大きい。
ここ5年でトレランの大会は3倍にも増えているという。
このトレランが、登山客やハイカーと一触即発の危機を迎えている。
仙台市に住み、3年前からトレランの魅力にはまり、チームの仲間と週末ごとに山を走る佐々木裕行さん(53)は、この夏、思わずフェイスブックに書き込んだ。
「山のマナーも知らないのか!」
泉ケ岳(仙台市)で練習中、のぼってきたハイカーの姿を見つけ、道を譲るために脇へよけた。
その直後だ。
すごい勢いで背後からランナーが下りてきて、ハイカーの横を、何も言わずに走り抜けたのだ。
すぐに後ろから怒鳴った。
「のぼりが優先だぞ!」
ランナーは「すみません」と言い残し、そのまま走り去った。
佐々木さんは、
「こういった一部の暴走ランナーによって、トレランが排除されることを、いま一番恐れている」
と話す。
自然を楽しみながら歩くハイカーにとって、猛スピードで駆け下りてくるランナーは脅威だ。
いつ接触してもおかしくないし、山の中だから接触事故でも大けがにつながる。
日本のトレランの草分け的存在である石川弘樹さん(38)は、自分がプロデュースした大会の開会式などで、必ず選手に釘を刺す。
「ハイカーの姿を見たら必ず止まってください。すれ違うときには必ず挨拶を」
ハイカーに好印象を持ってもらうことこそが、「共存」につながると信じている。
う~ん、登山者の気持ちも分からないでもないけど。
これは、町なかの歩道とかで視界の外から不意に現れた猛スピードの自転車に
びっくりして、ムカっとしてしまう状況と一緒かな。
でも、あらかじめ、自転車の接近に気づいてたら、そんなに驚くことすることもないわけで。
(それでも自転車が猛スピードで通り過ぎれば、マナーの無さに怒りも湧くけど)
上記記事の登山者も、ランナーの存在にもっと早く気づいていれば、
そんなに怒り心頭になることになることもなかったろうし、
怒りの下には、不注意だった自分への照れ隠しもちょっとあるんじゃないのかな。
(会話に夢中で近づいてくる足音を聞き逃してたんだけど、
立場上それを仲間に悟られなくなくて、つい、ランナーが悪いってことにしたら、
段々、ホントに腹が立ってしまった、みたいな)
トレラン人気は最近のことなので、登山者が見慣れてないこともあるだろうし、
お互いにすれ違う際の対処の仕方も不得手で、それで摩擦が起きてしまってるんだろうなぁ。
江戸時代だったら疾走する飛脚に驚いたとか、日常茶飯事だったろうけど、
現代の山道じゃ、登山者を走って追い越していく存在は最近まで皆無だったから、
速度が違う存在との共存に慣れてないのが本音な気もします。
ランナー側も、声かけするとか、配慮が必要だろうし、
クマよけじゃないけど、鈴みたいな音を出すものを身につけてたら、
前もって気づいてもらえるんじゃないかな。
それに、登山者に配慮ができない、いっぱいいっぱいの状態のランナーって、逆にダメだよね。
路面の凸凹、コンディションとか、瞬時に判断し回避する能力を要求されるスポーツなのに、
登山者という障害物に配慮ができないってことは、回避能力が足りてない証しだから、
登山者追い抜いていい気になってたら、そのうち、浮き石に足を取られて大ケガするかも。
というか、身軽な装備のランナーって、自身の遭難とか気をつけて欲しいなぁ。
長話ついでに、もうひとつ。
「のぼり優先」。
以前もお話ししたことがありますが、登山マナーだと思われてるだけで、
現実には、必ずしもそうじゃないですよね。
すれ違う余地がある方とか、
すれ違っても安全な場所にいる(近い方)が待つことが優先。
安全がまず第一です。
上りが第一じゃありません。
そして、登山は臨機応変が大切です。
譲り合い、思いやることが安全に繋がるし、結局は互いに早く通過できるのに、
「のぼり優先」だから先に行かせろ! お前は立って待ってろ!
声を荒げてマナーだろうがと怒鳴る方が逆に恥ずかしい。
僕なんかは、登ってるときはただでさえしんどいので
「下り優先」ですぐ立ち止まります (^^ゞ
石鎚とかであったんですけど、グループを率いるお節介リーダーが、
「登り優先です」って、立ち止まらせたのはいいんだけど、それが急な階段の上のほ~う、
階段の下にいる僕からは、“そこまでノンストップで登らなきゃなんないのっ!”って場所。
早く上がってこいビームを全員が出してて、仕方なく、登りましたが、
視線を感じるから、こんな階段へっちゃらですよって雰囲気を漂わせたりしつつ、
待たせてる人数分、こっちは焦るから、ちょい急ぎ気味で、
えらくしんどかったです、後で脚に来ました (>_<)
で、たどり着いてみたら、そこ、すれ違うのもやっとの道幅。
急坂の後だから、登山道の脇は崖っぽくて、すれ違える場所じゃないのよ。
一人で待てば待避場所は一人分で済むけど、
大人数が待って一人を通すときは人数分の広さが必要だろが!
結局、階段の降り口近くにあった丈夫そうな路肩の木に僕がよりかかる格好で、
グループを通してあげました。
状況にもよりますけど、待つのも待たせるのも、結局は一緒。
だったら、待つ方がいい(安全な状況な方が)。
クルマもそうですよね、上り優先って、
坂道発進が苦手のマニュアル車とか、エンジンのパワーが乏しかった時代にできたマナーで、
現代は、安全に除けられる場所に近い方が待避して待つ方がお互い速く通過できます。
せっかくのお休みにお山に来て、イライラをお土産に帰るなんてばかばかしい。
道を譲ってあげた、譲ってもらった、なら、精神衛生上もいいし。
いくら登り慣れたお山でも我が物顔は結局、いいことないのだ。