石鎚遭難、救助隊員滑落死、遭難者は救助されて「楽しかった」発言
2014 / 09 / 21 ( Sun ) ここ数日、また島根の松江出張で、更新できず、すみませんでした。
松江の定宿が部屋に有線・無線共にネット環境がないビジネスホテルで、 メールのチェックもままならない日々を過ごしておりました。 また来週も松江…。 なんだかんだ、一週間近く、帰宅できないので、また滞ります、すみません。 さて、もう一週間近く前になりますが、石鎚山そばの大森山で道迷い遭難事故がおきました。 その際、救助に向かったヘリから降下した救助隊員が崖下に滑落、亡くなられました。 NHKから、
愛媛県警察、事件・事故速報から、
救助隊員の殉職を悼み謹んで心から哀悼の意を表します。 救助隊のみなさんは、日々、救助訓練に励まれ、 いざ、出動となれば急行し、危険と隣り合わせの現場であろうがひるまず、 懸命の救助活動を行っています。 文字通り、命がけの救助現場となってしまったことは、とても哀しいことです。 山岳救助は千変万化する自然が舞台です。 野っ原に降下するのとは大違いに困難です。 要救助者を全員無事生還できたことだけでも、大変素晴らしい事実です。 大森山 大森山は石鎚山のすぐ北東に連なるお山です。 石鎚山の真横ですが、登山者はほとんどいないお山です。 遭難した彼らの目的は石鎚山登山でしたが、どこをどう道を間違えたのか、 大森山方面の沢に迷い込んでしまったようです。 一部報道によると、彼らは登山ロープウェイを経由する表参道から入山したようです。 そして、下山中、どこかで道を間違えた様子。 夜明かし峠に西之川へ下る分岐はあるので、そちらに間違えて下ってしまえば、 大森山方面には行くでしょうが、道は明瞭ですし、道標もあります。 石鎚の登山道、それも表参道は特によく整備されていますから、 分岐点にも道標などがきちんと整備されていますし、 今シーズンだけでも何千人もの登山者が無事、通過、下山できています。 事故当時は三連休で登山者も多く、彼らの前、後ろにつかず離れず、いたでしょうから、 不案内でも、人の流れに乗っていれば、道を間違えることなく、下山できたでしょう。 僕自身、彼らが道迷いした14日は石鎚山にいました(土小屋ルートから登頂、日帰り)。 登山道上で、写真を撮ろうと数秒から十数秒、立ち止まるだけでも、 追いつかれたり、追い越されたり、すれ違ったり、それくらい、登山者が多かったです。 前の人に着いていくだけで、登頂も下山もできそうなくらいでした。 故意に違うルートに入りこまない限り、道迷いは起こりにくい状況だったと思うので、 そう思うと、以下は僕の想像ですが、 表参道を帰るつもりが、二の鎖下の表参道と土小屋ルートの分岐で土小屋ルートへと下ってしまい、 気づくことなく、土小屋まで行ってしまい、成就方面へ戻ろうとしたが、 二の鎖下の分岐まで戻るのはしんどいし、ロープウェイの最終に間に合わないため、 国民宿舎のところから西之川へと下れる道を選択、 が、秋の日はつるべ落とし、谷は急激に暗くなり、道を見失った…、 のではないかと。 お山を知らない観光登山者にありがちな道迷い遭難のようで可哀想なのですが、 この話には不愉快な続きがあります。 livedoorニュースから、
ホント、情けない大人…。 文字通りの命がけで救われたのに、 警察が市民を助けるのは当たり前だろうぐらいにしか思ってないんだろうか…。 ただ、彼をフォローしたいわけじゃないんですが、上記記事は作為的な部分があります。 と云うのも、FB上の書き込みを正確に記すと、
となっていて、記事は「しまなみ海道は、」の部分をわざと外し、 石鎚での遭難も含めて「楽しかった」と云ったかのような記事になっています。 全面謝罪し取り消した朝日新聞の「吉田調書」の記事ほど酷くはないけど。 また、遭難し、救助されたからと云って、町を歩くときはずっと頭を下げてろ、的な、 無関係の人間が謝罪を要求するようなネット叩きは気色が悪い。 いつ、遭難、救助される側になるかも知れない身としては、 遭難=悪、みたいな、お山を知らない人たちの叩きに調子を合わせたくはない。 また、軽装登山を助長するわけではないのですが、 石鎚山は、安全登山を心がけていれば、子供でも無事に登れるお山です。 (積雪期は除く、子供だけの入山も当然、× です。) 半袖やヘルメット無しでも大丈夫ですし、 (ただ単純に、この季節、半袖では寒いです。) 鎖場には迂回路があるので、鎖場があるからと云ってイコール危険ではありません。 14日は、スニーカーにTシャツ姿の中国人とか、観光登山な人たちも少なくありませんでした。 もしもに備えることは大切です。 けれど、決して敷居が高いお山ではありません。 逆に云えば、子供でも無事に日帰りできるこの季節に、 滑落とか、落石ではなく、道に迷って遭難したわけですから、 彼らはよっぽど…。 まぁ、でも、一番、イタイのは、旅の感想が「楽しかったよ」だけだったことでしょう。 謝罪や感謝は遭難救助で心配や迷惑をかけた人たちに向かってするのが本筋だから、 赤の他人が目にするFBに必ずしも書く必要はありませんし、 お山で遭難、救助されました、とも書きづらいだろう気持ちも分かります。 それでも、(遭難したことには触れてないからと云って)「楽しかった」はないなぁ。 事故状況を想像するに、隊員が崖から転落した場面ももしかしたら見ていたかもしれない。 もし、そうだったら、「いろんな発見があって楽しかったよ(^^)」じゃ、 人でなしと叩かれてもしょうがない。 ちなみに、FBのアカウントを削除して逃げても、サイトのコピー、「魚拓」は残ります、 事故をなかったことにできないのと同じように、不用意な発言は取り消すことができません。 逃亡は余計にネット民を煽る結果になり、彼は実名が晒され、職場にも取材の手が及ぶなど、 状況を更に悪化させています。 救助されることは格好悪いことではありません。 明日は我が身、だから。 でも、ただただ、跡を濁さず、でいたいと思ったニュースでした。 |
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--道迷いの原因はなんだろうか?--
こんばんは。初めてコメントさせていただきます。 今回の事故は、本来人命を救助する側の警察官が亡くなったとのことで、 一登山者としても誠に痛ましい限りの事故だと思います。 今回コメントさせていただいたのは、タイトルのとおり「なぜ道に迷ったのだろうか?」と 不思議で仕方がなかったからです。 というのも、不可解な限りですが、21日にも同じ場所で道迷いが発生しているようなのです。 下記記事ご参照ください。 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140922/waf14092210180008-n1.htm あのルートはそんなに迷いやすい場所や複雑な分岐があったりするのでしょうか? 私は石鎚山表参道ルートは一度しか通ったことがありませんが、歩きやすい山道であり 景色が良い場所以外は特に何の印象もないというほどです。 ブログ記事にてご推理の通り、下山ルートをケチって藪を突っ切ってしまったのでしょうか… しかし、そんな特殊な遭難者が1週間の間に2件も発生するものでしょうか? そのような次第で、とにかく不思議でしょうがないのでコメントさせていただきました。 (遭難者に関するニュース記事に関しては、ご指摘の通りあおり目的の誇張気味であり、 またお山に関する知識もない人が書いているのが丸見えなのでスルーしておきます。) 思うに、こうした遭難事案が発生した場合には、遭難者の個人情報なんぞではなく、ズバリ 「何が原因で遭難したか」「何をすれば遭難を避けられたか」が報じられるべきだと考えます。 最後になりますが、亡くなった警察官殿のご冥福をお祈り申し上げます。
by: 松山から * 2014/09/22 20:27 * URL [ 編集] | page top↑
--コメントありがとうございます--
お山へ行く側にとっては、ホント、個人情報うんぬんより、なにがどうして遭難に至ったかが最重要ですよね。 ああ、また、道迷いが起きましたね、それも前回と似たような場所で。 と云うことは、表参道を引き返す途中で迷ったとみるべきでしょうか。 ならば、夜明かし峠の分岐に迷い込んだのかもしれません。 14日の道迷い当日は、お昼過ぎから濃いガスが立ちこめていました。 ホワイトアウトが原因でつい、入り込んだのかもしれません。 大森山は大森山でも、麓の御塔谷かもなぁ。 地形図を確認してもらえば分かると思うんですが、 御塔谷周辺で登山道は谷川を離れ、大森山の裾をトラバースしています。 間違って谷川沿いに下ってしまい、滝の落ち口のような崖に行き着いたら、 行き止まり、SOSするしかなくなります。 夜明かし峠の分岐が原因かどうか、分かりませんが、 彼らが迷い込んだだろう場所を明らかにし、もっと分かりやすい道標を立てるなど、 何らかの対策が求められますね。 晴れて視界が良ければ道迷いするはずのないルートですが、 過去には下山時、老之川谷がある方へ迷い込んだ事故が発生しています。 また、「昔歩いたことのある道だし…」という、 心の隙が生んだヒューマンエラーの可能性も多分にあると思います。 |
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