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青春18きっぷ旅 4 東北旅 4日目 6 奇跡の一本松→夏虫のお湯っこ→宮古
2017 / 04 / 07 ( Fri )
まぶたの裏が熱くなった南三陸町を、後ろ髪を引かれる思いで辞去し、陸前高田に向かいました。

海沿いの国道45号線を北上しましたが、小さな港町を通る度、震災の爪痕を目にしました。

高架だけが残る、気仙沼線清水浜駅周辺。

 分断された鉄道の高架橋。


少し高いところにあった小さな駅舎やホームはかろうじて原形をとどめています。

 山の斜面のトンネルへ、土手を登ってみました。


封鎖されたトンネル内部はレールはすでに撤去されていました。

 BRT化のためか、アスファルト舗装されていました。

 分断された鉄路。
NHK朝ドラ「あまちゃん」で、ユイちゃんが震災に遭遇したシーンを思い出しました。

「ユイちゃん、見てはダメだ」

「 ごめん…。もう遅い。 」

歩いてトンネルを抜けた途端、表情を失った、あのシーン。

あの穏やかに見える海から津波はやって来ました。


陸前小泉駅周辺も、高架だけが残ってました。

ホームの跡。

レールは失われましたが、鉄道の土手が津波の勢いを弱め、被害を受けずに済んだ人がいたことも事実です。


BRT方式の新しい陸前小泉駅。


いたるところで復興工事中、ダンプもひっきりなし。
でも、ほとんどのダンプがアクセル踏み込んで走っていたので、渋滞にはほとんど引っかかりませんでした。

気仙沼のバイパスに入った辺りは、さすがに混んでるところもありました。

走りっぱなしで疲れたので、ミニストップで停車し、ソフトクリームを食べました。

その気仙沼も、そのままバイパスで通過してしまい、町並みは一切、見ず仕舞い。


陸前高田に着いたのは、夕方5時過ぎ。

奇跡の一本松最寄りの駐車場でクルマを停めました。

以前はクルマで近づけた「奇跡の一本松」ですが、名所のようになってから、遊歩道を徒歩でしか近づけなくなりました。


陸前高田周辺地図と、奇跡の一本松への経路図。

まぁまぁ遠回りしないと近づけません。

 BRTバス停も「奇跡の一本松」。


奇跡の一本松へ。


奇跡の一本松への道の遙か頭上を、ベルトコンベアーがゴーゴー音を立てて稼働していました。

かさ上げ工事用の土砂を市内に運ぶために設置されたベルトコンベアーで、現在はすでに撤去されてしまったようです。


10分くらいかかる距離なので、途中に自販機のある休憩所もあったり。

 ベルトコンベアーの下を通るところは屋根付き。
屋根の下を通ったとき、コツンコツンと砂利が落ちてきた音がしました。

海辺に立つ奇跡の一本松が見えてきました。

 隣の建物と比べても、とても背が高いです。

もう少しで…、というところで、ガードマンとすれ違いました。


橋へ上がり、マツがそびえる向こう岸へ。


な、な、なんと、フェンスが閉じてて、奇跡の一本松にはこれ以上近づくことができませんでした。

開放時間が、8時頃から17時頃までと決まっていたのでした。

残念。

でも、ついさっき、すれ違ったガードマンさんが施錠して帰ったばかりなら、17時半を過ぎても施錠せずに待ってたのかも。

間に合えなかったのはつくづく残念だったけど、一方で、「17時頃」の「頃」の文字に優しさも感じていました。

陸前高田市奇跡の一本松

陸中海岸国立公園(現、三陸復興国立公園)に指定され、渚百選にも選定された「名勝高田松原」は、江戸時代に菅野杢之助と松坂新右衛門によって植栽されたことが始まりとされています。
およそ7万本もの松林は、白砂青松の景観から多くの観光客が訪れる観光地として賑わっていました。
しかし、2011年3月11日の東日本大震災による大津波によって壊滅的被害を受けました。
その中で奇跡的に残った一本の松は「奇跡の一本松」と呼ばれ、復興のシンボルとなりましたが、海水によって根が腐り、2012年5月に枯死と判断されました。
そのため、陸前高田市では「奇跡の一本松」に人工的な処理を加え、モニュメントとして保存することとしました。
この保存事業は世界中の皆様の善意による「奇跡の一本松保存募金」により行われたものであり、ご支援をいただきました多くの皆様に感謝いたします。




 とても背が高い奇跡の一本松。

マツの後ろの陸前高田ユースホステルは長期休館中だったので、人的被害はなかったそうです。

 水面に映る一本松。


 思い出深い一日が暮れてゆきます。

奇跡の一本松にさよならして、遊歩道をひとり、とぼとぼ歩いて駐車場へ。


さて、陸前高田まで来ましたが、今宵、車中泊する場所すらまだ決めてませんでした。

行き当たりばったりが過ぎるのですが、まずは直近の課題から片付けようと、「温泉」でネット検索しました。

宮古市ぐらいまで行きたいから、そのルート上にある温泉を、と探すものの、なかなかよさげな場所が見つかりません。

時間的に間に合いそうな場所と云うことで、道からちょっと外れた山の中にあるけど、
大船渡にある「夏虫のお湯っこ」と云う温泉に決めました。

日もすでに暮れた河岸線を走り、また途中で無料だと気づいた三陸道へ。

今回もナビは誘導してくれませんでした。

終点の三陸ICで降りて国道45号線に合流し、ナビに従って、ローソン脇の丁字路を左折し、山道へ。

温泉は山道を4km弱上った、大久保山森林公園の一角にあり、途中、点点と民家もあったりしました。

やがて、街灯もなくなって真っ暗になった山道で、二つの光る目に出会いました。

野生のシカでした。


7時40分頃、「夏虫のお湯っこ」に到着しました。

小ぶりな湯宿で、山上にあるのに、駐車場はかなり埋まってました。


お風呂セットを持って温泉へ。

 夜9時で閉館は、ちょっと早めかな。

 玄関を内側から。


内も外も木をふんだんに使った建物で、暖かみあふれる空間が居心地よく、ついつい、長居してしまいそうな雰囲気。

 フロント。

 男湯・女湯入口。

 食堂は18時半頃まで利用できたみたい。

浴室は、大きな大浴槽と泡湯があるだけで、露天風呂はありませんでした。

温泉も、あとで気づいたんですが、天然鉱石などを使った人工温泉でした。

熱いお湯に旅の疲れも汚れも、ちゃっちゃと落ちて、しっかり、リフレッシュできました。

 8時20分頃、お風呂を出ました。

駐車場で宮古市までの距離、ルートを検索、今夜中に行けると判断。


下山後は、宮古市まで、ほぼノンストップで駆け抜けました。

途中、街灯がほとんどない港町を通り抜けました。

夕食がまだだったので、コンビニのおにぎりでも…、と思っていたのに、ずっと閉まってて。

ガソリンスタンドも、国道沿いの商店も、いや、町自体がひっそりとして、真っ暗でした。

海に近い国道沿いは津波で被災し、住民がみな、高台移転してしまったのかもしれないし、
単純に、夜も8時を過ぎれば、地方のお店はとっくに閉店時間だったりするので、それで開いてなかっただけかも。

真っ暗な町の中で、唯一、コインランドリーだけが、不思議と煌煌と明るかったり。


釜石市に入ると、急に街灯だらけで明るくて、イオンタウンの看板がまぶしいほど。

新日鐵の製鐵所がある釜石は、内陸とも繋がってるし、全然、栄えてるのが、町の明るさで伝わりました。

大きな立体交差のあるバイパスで町なかをパスしたら、コンビニも道沿いになくて、
そのうちあるだろうと思ってたら、トンネルに入っちゃって、釜石の町はあっという間に山の向こう…。


明かりのない港町が車窓をいくつも通り過ぎてゆきました。

復興事業で新設、工事中の道路も多く、ナビに載っていない道が結構、ありました。

震災関連の報道で何度も耳にした大槌町も通りましたが、なにも心に残すことができませんでした。


大変な津波被害を受けた山田町では、国道を付け替え中で、ナビが旧道を勧めてきたせいで道を間違えました。

ナビの云うこと聞いて左折したら、周りは真っ暗闇。

すぐに間違いだと気づいて、Uターンしようと空き地のようなところでクルマを停めたら、そこは津波被災地のど真ん中。

空き地のように見えた場所は、津波で家が流された跡でした。

車のライトが照らす範囲に建ってる家はひとつもなくて、基礎のコンクリートだけが、雑草の間に痕跡をとどめていました。

住宅街の一角だった場所は、なにもない、とてもとても寂しい場所になっていました。

国道に戻り、山側を見たら、仮設商店街が見えました。

旅人の目線で被災した町を見てる自分は、それだけでも幸せなことなんだと思わずにいられませんでした。


宮古市に到着したのは、夜10時半頃。

宮古も大きい町なので、コンビニもちゃんとやってました。

でも、もしかしたら、牛丼屋さんくらいあるのでは?、と思い、検索してみたら、ありました。

コンビニから数キロ走ったところにあるすき家に直行し、カレーを注文、美味しかったぁ (^_^)


温泉の駐車場で検索中、「宮古 車中泊」のワードでヒットした道の駅「みなとオアシスみやこ 」へ向かいました。

そこは、魚市場もある埠頭の一角で、広い駐車場にクルマやトラックが結構、駐まってました。

クルマから降りて話し込んでいるのは、多分、地元の若者たち。

アイドリングしてるクルマやトラックがいないくて、街灯からも離れた場所を探し、駐車場をうろうろ。

いい場所は大概、先客に取られちゃってるんだけど。

道の駅の建物から離れた岩壁近くにクルマを駐めました。

今朝からずっとフラットにしっぱなしの後部座席に移動し、車中泊の準備を整えました。

日記を書いたり、トイレに行って歯を磨いたりしてたら、12時越えてました。

もう寝なきゃ、明日も早いし…。

と横になった途端、後方にいたダンプが急にエンジンかけてアイドリング状態に入りました。

大型は一晩中、エアコンきかせて寝る派のドライバーが大多数。

うるさくて、安住の地ではなくなってしまい、道の駅の玄関前にクルマを移動しました。

数区画横に車中泊中の先客がいたけど、すでに寝入ってるみたい。

話し込んでた地元民のクルマが帰ってしまうと、駐車場はしんと静まりかえりました。

安心したら、気がつくと夢の中でした。


つづく。


青春18きっぷ旅 4 東北旅 目次

1日目 松山→岡山 / 岡山→名古屋

2日目
名古屋リニア・鉄道館 / 名古屋城 / 名古屋フェリー埠頭→

3日目
フェリーいしかり / 仙台

4日目
仙台→松島 西行戻しの松公園 / 松島 1 五大堂 / 松島 2 瑞巌寺 / 松島 3 松島湾一周 / 
石巻→南三陸 / 奇跡の一本松→夏虫のお湯っこ→宮古

5日目
浄土浜 / 龍泉洞 / 堀内駅→小袖漁港 / 小袖漁港 / 久慈 / 久慈→盛岡→花巻

6日目
花巻→平泉 1 中尊寺 / 平泉 2 毛越寺 / 仙台 1 瑞鳳殿 / 仙台 2 竜泉寺の湯

7日目
仙台→ フェリーきそ

8日目
→名古屋→大阪

9日目
京都 1 金閣寺 / 京都 2 晴明神社 / 四条通~清水寺 / 京都→大阪

10日目
大阪→ 高松→松山
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