2年ぶりの石鎚山へ 2
2017 / 08 / 04 ( Fri ) 2年ぶりの石鎚登山のつづき。
![]() 三の鎖下の合流地点は間もなくです。 そこに向かって階段の傾斜角度もアップして行きます。 でも、ヤッホーの子供たちはちょっと、限界だったようでした。 最後尾を歩いていた一番小さな女の子がぐずり始めました。 東陵分岐の休憩地をスルーしたツケが、やっぱり、まわってきた…。 リーダー格のお母さんが「もうすぐベンチがあるから」と声をかけて歩いていましたが、 そもそも、全体が落石注意なこのエリアに、腰を下ろせるベンチなんか、ありません。 三の鎖下の休憩地は、まだまだ坂を登らないといけません。 今日は往来する登山者も少ないので、丸太の階段にでも腰を下ろして休めばいいのに…。 もうすぐと云う言葉を信じてみんな、歩き続けていました。 女の子は、泣いたら負ぶってくれるとでも思って、ホントは嘘泣きだったかも知れないけど、 歩き続ける姿はちょっと可哀想でもありました。 大人には小さな段差でも、子供には胸突き八丁の坂となります。 また、僕はチューブで給水できるので、歩きながらでもノドを潤せるけど、 そんな装備のない子供たちは、立ち止まらないと水一滴、口にすることもできません。 ノドが渇いたら飲む、では遅すぎます。 こまめな給水が登山の基本です。 お山は涼しいけど、オーバーヒートした小さな子供は熱中症になりやすいので、 子供の体力、機嫌にあわせてたくさん、小休憩しましょう。 ![]() ぐずる女の子もなだめすかされながら、到着できました。 ![]() ![]() 表参道コースと合流する二の鎖下。 子供たちは階段に腰かけてぐったりしてました。 でも、ここから先、山頂までの600mが石鎚登山の本番、ゲームで例えるなら、最後の攻撃、です。 高低差60mオーバーの鎖場が連続するし、迂回路も、切り立った崖に設けられた階段が連続し、 足を滑らせたら一巻の終り、足がすくむような場所しかありません。 休憩できる場所も限られているので、給水も間食もまとめてしておきます。 さて、石鎚山山頂付近はここ数年でトイレなど、設備が大きく更新されました。 石鎚山そのものをご神体とする石鎚神社を中心に、西条市、久万高原町などが参加、 特に問題だった、事実上、垂れ流しだったトイレは、環境配慮型に生まれ変わりました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() トイレ利用はチップ制になっていて、入口横に、チップを入れるボックスがあります。 チップ=協力金によって、日常清掃や保守点検などが行われています。 協力金クーポン券をロープウェイ乗り場や頂上山荘、土小屋売店、道の駅などで購入するか、 100円以上の現金をボックスに投入します。 休憩所は、無人小屋として宿泊利用も可能で、施設利用協力金として500円以上を、 休憩の方は、お気持ちで!ってことになっています。 ![]() ![]() 側面にハシゴがあり、厳冬期、積雪したときでも小屋の中に出入りできるようになっています。 宿泊はできるけど、決して広くはありません。 アテにして来てみたら、すでに先客でいっぱい、結局、野宿か有料で山頂小屋に宿泊ってことになりかねません。 ご注意を。 さて、「ここからが本番なので、充分、休憩した方がいいですよ」とお母さんにアドバイスしたので、 ヤッホーの子供たちみんな、小屋の前の日陰で休憩してました。 でも、じっとしてられないのが子供ってもんで、石垣の上に立ったりして、大人をハラハラさせてました。 ぐずってた女の子も一緒になってうろうろしてました。 まぁ、逆に、動ける状態ってことは、元気がまだまだ残ってるわけで、安心ちゃ、安心です。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 鉄製の階段とグレーチング状ですけすけの鉄網の通路の迂回路。 ストックは穴に刺さったりして危ないので、二の鎖下を出発する前に仕舞っておきましょう。 と云うか、僕も階段まで来て思い出して、慌てて仕舞ったんだけどね。 ![]() ![]() 見上げれば、弥山山頂は指呼の先、最高峰天狗岳も見上げればそこに。 丸太に腰を下ろして休んでいたら、復活したヤッホーの子供たちが元気に追い越して行きました。 そこから少し登ると、 ![]() ![]() 面河渓からの登山道と二ノ森縦走路がひとつになった道が、右から合流してくるポイントです。 ![]() ![]() 面河・二ノ森方面の道標が新しくなっていました。 その分岐からわずかで、三の鎖下になります。 ![]() ![]() あの香ばしい匂いは、もう、していません。 ![]() ![]() 北側斜面に表土が大きく剥離した場所があるのが見えました。 面河・二ノ森方面の登山道の直上っぽい場所です。 あの辺は、数年前の春先、残雪期に、女性が滑落して亡くなった辺りじゃなかったっけ? 登山道周辺も表土ががっさりと落ちる可能性が無きにしも非ず。 安心はできませんね。 ま、地面ごと落ちたら、人間なんてどうしようもないけど。 ![]() ![]() 登って、登って、また、登って。 ![]() 曇ってるし、景色見る元気もなく、足下だけ注意して、とぼとぼと階段を上がりました。 ついには足に身が入って、ふくらはぎがパンパンになってしまいました。 ダメだなぁ、すっかり、体力、脚力、落ちてるなぁと、幻滅に幻滅を重ねながら、階段を登り詰め、 ![]() ![]() 視界が開け、二ノ森、西ノ冠岳、おもごの山並みが現れました。 朝、拡がっていた見事な夏空が、白い雲で満たされようとしていました。 ![]() ![]() バンザ~~~~~イッ! 心の中で、大きく万歳。 コースタイムの2時間半と同タイムで山頂に立てました。 ![]() でも、正確には、ここは弥山の山頂、1972m。 ![]() ![]() ホントの山頂、最高峰・天狗岳はガスに包まれようとしていました。 今日は天狗岳には行きませんでした。 このお天気じゃ、見晴らしも期待できないから。 ![]() 今回、頂上まで足を運びたくなったのは、実は、頂上社で御朱印をいただきたかったからです。 ここ数年、御朱印をいただくのが旅の楽しみのひとつになっていて、 石鎚神社は、麓の口之宮本社、中宮成就社、土小屋遙拝殿の3つはすでにいただき、 残すは頂上社だけとなっていました。 ザックから御朱印帳を取り出し、頂上社真横の授与所へ。 ![]() ![]() ![]() ![]() 石鎚神社四社、コンプリートです。 ![]() ![]() ![]() ![]() 三の鎖。 頂上社下の広場でお昼しました。 ![]() 道中では、カレー食べるって云ってたけど。 で、食後はわいわいがやがや、終いには兄妹げんかして、あのぐずってたおチビちゃん、泣かされてました。 おいおい、お山で女の子泣かすと、天狗が怒って雨降らすぞ! ![]() ![]() 山頂は、雲が湧いたり、一瞬晴れたり。 天狗岳まで行く人も少なくなかったです。 プラカード掲げて記念撮影する人も雲間から見えました。 ![]() ふと見上げると、雲の奥に、積乱雲が盛り上がる姿がチラ見できました。 雨が来る…。 スマホを取り出し、雨雲レーダーアプリで雨チェック。 赤や黄色で表現された強雨エリアが西から近づいてきていました。 1時間以内には石鎚山も雨になりそうでした。 知ってか知らずか、ヤッホーの子供たちは先に下山して行きました。 僕も予定を切り上げて、遅れること20分ほど後、雨粒が落ちてきたので下山しました。 二ノ鎖下に到着する前に雨が落ちてきました。 でも、通り雨ほど激しくなく、頭上の木が傘になってくれて、カッパを着るほどでもありませんでした。 二ノ鎖下もほぼスルーして下山。 東陵分岐の休憩所までノンストップで下山しました。 ベンチに着いた頃にはもう、雨も止んでいました。 途中、石鎚講の白装束姿の高齢の女性二人とすれ違いました。 先頭の女性は、背丈ほどの箱を背負っていました。 御幣かなにか、入っていたのかな? 山頂山荘に宿泊し、朝、頂上社でお祓いしてもらうのでしょう。 そのほかにも軽装な登山者とすれ違いました。 日帰り登山なら、ちょっとぎりぎりかも、石鎚スカイラインの閉門までに下山できればいいけど。 東陵分岐の休憩所で休んでいたら、あの黄色いヤッホーが聞こえてきました。 どうやら追いついたみたい。 日当たり良好すぎの急坂で追い越しました。 が、ちょうどそのとき、ゴロゴロ~ンと西の雲間から雷鳴が響いてきました。 お山で遭遇するカミナリは地上とはまた異なる危険があります。 子供たちも急いで下山して欲しいけど、走れば逆に転倒などして逆に危ないし。 と云うか、山頂でお兄ちゃんが妹泣かすから天狗が雨を降らせたんだぞ! ![]() 土小屋遙拝殿に感謝のお詣りしました。 駐車場の端にある白石ロッジ売店前の自販機でコカコーラを買い、のどを潤し、リフレッシュしました。 東屋で休んでると、ヤッホーの子供たちも無事下山。 雨が降る前に下山できてヨカッタですね、とお母さんたちと登山の無事を喜び合いました。 やがて、下山してきた人々は次々とマイカーで下界へと返って行きました。 香川ナンバーや鳥取ナンバーのクルマも下って行きました。 ヤッホーの子供たちは愛媛ナンバーのワンボックスで、リーダー役のお母さんが運転して帰って行きました。 僕は東屋で、スクーターと一緒に雨宿り。 雨雲レーダーアプリで強い雨が近づいているのを見ていたからです。 30分も待てば通過しそうな雰囲気でしたから、ゆっくりしてから下ることにしました。 スクーターにカッパは積んでいたけど、汗で濡れた服の上に着たくなかったし。 ちなみに、このとき、小田の獅子越え峠では、短時間に100mmの大雨が記録されたり、 日本各所でゲリラ豪雨が観測されていました。 面河まで真っ赤に表示された雨が来ていたのですが、土小屋はそんなには降りませんでした。 霧雨くらいになったところで、僕も土小屋を離れました。 ![]() 駐車場から見えた石鎚山。 ![]() 帰路は、川内のさくらの湯に入浴するため、黒森峠越えして帰りました。 面河ダム周辺はアスファルトも乾いていて、雨は、馬の背を分けるほどピンポイントで降っていたようでした。 あ、黒森峠は2カ所で道路工事してて、1時間に10分だけ通れる時間制通行止めを実施中。 僕は、工事が終わった夕方5時頃、通ったので問題なかったけど、 工事のある平日に黒森峠を通って帰る予定の方は、要注意です。 と云うわけで、2年ぶりの石鎚登山、終了でした。 最後に。 石鎚山は小さいお子さんでも登ることができます。 でも、水や間食は背負っても苦にならないくらいは用意しましょう。 ノドが渇いたと思う前に給水し、ぐずる前に休息はこまめにとりましょう。 夏山は天候が急変しやすいです。 石鎚山は特に雲が湧きやすいので、雨具の用意も必要でしょう。 土小屋コースは、閉門時間を、 成就表参道コースは、登山ロープウェイの最終時間を、 それぞれ気にしながらの登山となります。 登りは、2時間半から3時間の長丁場となりますので、いろいろ心してお出かけ下さい。 |
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