気がつけば、しばらくぶりの皿ヶ嶺へ その1
2020 / 04 / 18 ( Sat ) 前に皿ヶ嶺に行ったのはいつだったろう? ほぼ毎日、見上げているし、出張の際は麓の自動車道から遠望してる、 季節毎、時間毎に姿を変える、でも、変わらずそこにいるお山。 久しぶりに訪ねたのは、生憎の曇り空の下。 それも、九州上空に猛烈な雨雲が控えている状態。 遅くとも夕方までには降る予報の、そんな日。 前日、西条まで買い物に出かけ、その道中、皿ヶ嶺が見えていました。 桜が花吹雪を舞い散らせているというのに、山肌の所所が白い。 いつ積もった雪だろう? 例えわずかで、雪はとても魅力的、誘惑されてしまいます。 そうして、皿ヶ嶺に行く気になりました。 でも、登る気はまったくありませんでした。 風穴のある上林公園でお昼だけして帰るつもりでした。 さくっと用意して家を出たのも、ほんのお昼前のことでした。 どんどんと近づく皿ヶ嶺。 つづれおりの坂道をゆっくり上ります。 カーブをひとつ抜ける毎に、決心がついてきます。 上林公園に着いたときにはもう、登る気満満でした。 だから、登山に必要なもの、持っていきたかったもの、結構、忘れてきてます。 ストック持ってこなかったのが一番、痛かったかな。 ![]() 登山者らしきクルマが2台、駐まってました。 ![]() 路肩に、わずかに雪。 上に行けばもっと…、と期待するのは当然。 ![]() 雪に逢いに、上へ。 ![]() 風穴の辺りは以前、来たときと変わらず。 ![]() 小屋や穴は帰りに寄ってみることにして、 ![]() さあ、登山開始。 このときはまだ、竜神平まで行くつもり。 山頂までは行くつもりがありませんでした。 ![]() ![]() 昨年の豪雨で、流しそうめんやってる水の元から上林峠に至る登山道がNG、 これはそのお知らせ。 ![]() 人なんかより寿命のある樹木は、数年ぶりでも変わらない。 この変わらなさのなかに、森が「おかえり」って言ってくれてるような、 温かさを感じるのは、僕だけでしょうか。 地面が土に変わった辺りで、ストック、やっと思い出し、ぷち後悔。 ![]() 何度かジグっとザグっとしてたどり着く、途中にある、引地山分岐。 ![]() 新しい道標できてますが、白い道標、表示が紛らわしい。 右方向のものは右に、左方向のものは左に、杭を境に書き分けるべき。 ぱっと見、右が山頂方向だと誤読を誘発しやすい。 右に行っても、そりゃ、山頂に行けるけど。 もしくは、「皿ヶ嶺」の表示は割愛もありか。 ![]() 急登だった引地山ルートは、歩きやすく改良されたみたい。 急登と云うより、直登だけど。 ![]() 僕は竜神平方面へ。 道端に残雪が点点と目立ち始めました。 気温も低下中ですが、上下とも防風な格好してきたので、暑い。 汗をかく前に、ジャケットを脱いで腰に巻きました。 ![]() 大きな倒木が道を塞いでました。 ![]() 根っこからでなく、幹の途中で折れてます。 冬の間に、一体、どんな力が加わったというのでしょうか? ![]() 次の倒木は、枝が邪魔で、またいで通るのも厄介でした。 幹に乗ったはずみで倒木全体がずり落ち始めたりしないか、 想像しながら通過しました。 この先、あちこちで倒木と出会います。 春はまだ来たばかり。 倒木処理のボランティアの入山はまだ先かな。 ![]() ひとつ目の谷を通過。 ![]() 標高増した分、雪の多いふたつ目の谷。 ![]() 雪止め水が盛んに流れて、一部は登山道を洗ってます。 ![]() ここに来て初めて、登山道を覆うほど残雪、でも、薄い。 道幅狭いので、左の谷に滑り落ちないよう、ゆっくりと。 ![]() ロープのある急段では、よりによって倒木が邪魔をする。 そんなこんなを、でも楽しんで歩いてる。 行く先々で、「ああ、こんな道だった、景色だった」と思い出しながら。 「そろそろ○○かな」と思ったら、全然、まだだったり。 しばらく、お山歩してなかったのに、ちゃんと歩けてる自分を褒めたり。 で、ようやく、この辺りで一番見覚えのある、 ![]() ブナ爺、ブナ婆の名で覚えてた古木のある尾根へ。 ![]() 階段の先にある谷側の古木は、少し痩せてたけど、昔のまま。 「ただいまです」と挨拶。 ![]() ベンチは、基礎の土がかなり洗われちゃってました。 押すと簡単にぐらぐらしたので、座るとき、もたれるときは要注意。 で、山側の古木は、と目をやると、 ![]() ない。 当時でもキノコが生えていたりしたので、倒れてしまったのかな、 そう残念がりながら歩き始めたら、 ![]() 大いにほじくり返された樹の破片が、ササ藪に散らかっていました、 この残骸があの古木なのかなぁ。 まるで、カブトムシハンターにほじくり返された倒木のように。 だとしたら、少し哀しい気持ちになりました。 古木を知ってた僕にとっては、遺体損壊に近しい行為なので。 ここを超えると、ジグザグ道はもう標高を稼ぐのをやめます。 針葉樹の立ち並ぶ学習林の端をゆるゆると歩きます。 ![]() 奥に結構、雪があるのが見えました。 ![]() 森に日差しを遮られ、溶け残った雪が、まあまああるみたい。 ![]() そして、竜神平の入口分岐に到着。 奥は、上林峠・湿原周回コース。 竜神平や山頂は、分岐を右に曲がり、 ![]() ササがキレイに刈られたルートを進みます。 前方から話し声が聞こえたと思ったら、女性数名のグループとすれ違いました。 ちなみに、この日は合計3組の下山者とすれ違いました。 ![]() 地面が平らなので、大きな水たまりができてます。 ![]() 水たまりゾーンを抜けたら、背の高いササが終わり、竜神平が顔を出しました。 昔のままの風景が拡がっていました。 ササの上に残雪がわずかにこびりつくようにしていました。 日当たりよさそうだけど、標高のおかげで解け残ってるようでした。 ![]() 山頂ルートの分岐丁字路。 ![]() 水たまりもできてぬかるんでます。 ![]() 新しい道標もできてました。 そこから目と鼻のさっきにあるのが、 ![]() ![]() 竜神平のランドマーク、山小屋と祠です。 ![]() まず、祠にお詣り、ご挨拶。 ![]() 長いこと、ご無沙汰いたしました。 またお山に来られたことを感謝です。 ![]() 愛媛大学山岳会竜神平小屋。 壁が新しくなってます、ちょっと手直しされたみたい。 ![]() 小屋前の休憩スペース。 手作り感のあるテーブルセットが増えていました。 ![]() 山頂方向を見て。 ![]() すっかり草原化しましたね。 竜神平は、以前、竜神平湿原とも呼ばれていました。 昔は水をたたえた湿原でした。 昔はと云っても、僕がここに来だした頃には湿原らしさはとうにありませんでした。 湿原だったのは、皿ヶ嶺が登山者に愛され始めた頃の話です。 日々、乾燥化が進み、いまではほぼ草原です。 これは温暖化とか人の手が加わったからではありません。 湿原はやがて草原化し、木木が侵入し、森となっていくのは自然な流れなのです。 湿原の前は池や沼でした。 そこに泥炭などが沈殿し、湿原となります。 大きな時の流れから見れば、湿原はほんの一瞬の姿なのです。 なんてことを、この風景が思い出させてくれました。 さて、さて。 今日、最初の思いつきは、風穴の公園でお昼しようと思ったことでした。 公園に着いたら着いたで、お山に向かう足を止めることができず、とうとう、竜神平まで登ってきてしまいました。 さてさて、どうする? つづく。
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