これから本格的な夏山シーズン。
黒部渓谷へ遠出する計画を立ててらっしゃる方もいらっしゃることでしょう。
アルペンルート、トロッコ列車、黒部ダム…、行きたいぉ! うらやますぃ~っ!
黒部渓谷の富山県側、トロッコ列車に乗って欅平へ、って予定を立てられてる方に
ご注意。
欅平から祖母谷温泉方面へ向かう登山道が
通行止め だそうです。
北日本放送から、登山道が通行止めに、山小屋経営者は
黒部峡谷でおよそ半世紀にわたって利用されていた登山道が今年の春から突然、通行止めになっています。
山小屋経営者からは「訪れる人が減少し、小屋の営業に影響が出ている」ととまどいの声が出ています。
リポートです。
黒部峡谷の大自然に囲まれたトロッコ電車の終点・欅平です。
「欅平の奥鐘橋を渡りきったところには、ネットが仕切られ、この先に進むことができなくなっています。」
去年までは散策できた道が、この春から突然の通行止めとなっているのです。
この道は黒部川上流の砂防堰堤工事のために、昭和30年代に当時の建設省と林野庁が整備し50年近く、登山道としても利用されてきました。
国土交通省はこの道はあくまで工事用道路であり、落石の恐れもあるため閉鎖したと説明します。
国土交通省黒部河川事務所の福濱方哉所長は「砂防工事を行っています。工事用道路ですので、一般の方々に、入っていただかないことを、確実にするために行っているところであります。」「一般の方が立ち入らないように、立ち入ってもらいたくないところであります。」
この閉鎖された道沿いには旧宇奈月町が設置した公衆トイレや県が設置したキャンプ場があり、さらに道が整備される以前から営業している山小屋があります。
山小屋・祖母谷温泉峰村保利代表は「この通行止めで、ほとんど、そのお客さんが、歩いて来られなくなったと、いうんで、えらい営業に響いております。」
欅平からおよそ2.5キロ上流にある祖母谷温泉です。
今シーズンの宿泊客はわずか10数人、取材に訪れた8日もいませんでした。
また欅平から比較的近い秘湯・名剣温泉も同じような状態で2つの山小屋の宿泊客は例年の10分の1程度です。
名剣温泉の平田昌邦専務は「一日でも早く解除していただきたいなと思っております。」
国土交通省は今年度で砂防工事が終るため来年度からの道の管理について、黒部市や県、林野庁などと協議を進めています。
しかし安全責任を誰が追うのか?維持管理費はどこが負担するのか?話はまとまらないままです。
8日も欅平では、閉鎖された道の手前で引き返す観光客の姿が見られました。
観光客は「パンフレットとかで見てて、楽しみにしていたので、通行止めで残念です。」
富山が世界に誇れる観光資源、黒部峡谷はいよいよ夏の観光シーズンに入ります。
長年、登山者に親しまれた道が使えず、山小屋の営業にも影響がでることは残念な事態です。
国はもちろん、県や市そして関係者を交えて今後の安全対策や維持管理をどうすべきかをマエムキに議論して欲しいと思います。
日本中にこれと似たような、責任の所在が曖昧な道がたくさんあるんでしょうね。
登山者なら、
登山は自己責任だ! で押し通せるけど、
ニュース映像には祖母谷温泉か渓谷の散策に来た風の観光客が映ってたし、
物見遊山の観光客にまでは自己責任を強制も徹底もできない…。
事故が発生したら、裁判じゃ!って絶対なるから、道路管理者やお山の地権者が尻込みしたくなるのもわかります。
児童公園の可動式遊具がどんどん無くなってるのと同じ理由でしょう。
危険を承知で温泉に行く観光客はいないだろうし、
登山者だけを相手に細々とやっていく、温泉ができた頃に戻るしか、ないのかな?
水平歩道で行く阿曽原温泉みたいに。
難しい問題ですね。
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