前々から、
「百名山を完登しました」的な記事は一体誰が新聞社にタレ込むんだ?
まさか、本人か?
不思議でしょうがないんですが、
そんな自画自賛の自慢話より、何倍も読みたくなるお話を、
朝日新聞・福岡版から、登山道 そば店主の奮闘
■宝満山で山田さん 痛めば修復もう7年
太宰府市と筑紫野市の境にあり、登山者数では県内最多とされる宝満山(標高829メートル)のふもとでそば屋を営む山田公明さん(57)が7年ほど前から、台風や豪雨で壊れる登山道の修復に汗を流している。
山田さんは「山をきれいにしている満足感がある」と話す一方、荒れる山の現状を憂えている。
ふもとの竈(かまど)神社の横で、九州自然歩道に指定された登山道の登り口にもなっている場所に1999年、そば処(どころ)宝満茶屋「山公」を開いた。
公務員だった20~30代に毎日走って登っていたが、体を壊したのを機に再び健康を取り戻そうとの思いからだった。
店の前を流れる谷川は、大雨の度に土砂が流れ込み、登山道も土砂がえぐれたまま。
修復の気配がないのにしびれを切らした山田さんは、自らスコップを持って川にたまった土砂を歩道に戻し、歩きやすいように石も並べてきた。
倒れた木も取り除いている。
作業は仕込み前の夜明けから約2時間。
そばを打つ体力を鍛えたいというねらいも兼ねた作業で、「精神的にも健全になり、体調もいい」。
店を訪れる登山者から喜ばれるのも励みになるという。
宝満山は九州百名山のひとつ。
福岡都市圏にあって交通の便もいいことから、年間の登山者は中高年を中心に20万人とも30万人ともいわれ、九州でも有数の人気を誇る。
毎日登る人もいるという。
山頂へのルートは主なものだけで約10本あるが、県が管理する九州自然歩道は山田さんの店の前にある1本のみ。
実際の維持管理は太宰府市に委託され、市はさらに民間人に任せている。
民間人とは月に最低1回は巡視してもらう取り決めだという。
宝満山はもともと、花崗岩が風化した山で、大雨の度に表土が大量に流される。
今年7月末の集中豪雨では、山頂まで約3キロの自然歩道のうち、2カ所で崩落が見つかった。
市は仮補修をして、今年度中にも本格的な修復をする計画だ。
約50年にわたって水場や登山道の整備に取り組んでいる登山愛好団体「西鉄山友会」の伊藤博紀会長(67)は「登山者が多すぎて、道の傷みは早い。我々や山田さんのような人たちがボランティアで修復しているが、追いつかないのが現状だ」と話している。
あんな大石持ち上げる腕で打つそばはさぞかしコシがありそう。
それにしてもホント、何百山登りました、とか、ひとつのお山を何百回登りました、とか、
そんなことは、運動不足の都会人のたわ言だなぁ。
お山で暮らしてる人たち、伐採や植林で働いている人たちは、
それくらいの運動量、毎日こなしてる。
普段、車や電車ばっかり使ってる人間がたまの休日にお山にやって来るから、
さぞ、とてつもないことを成し遂げたような気になって、
みんなに誉めてもらいたくなるんだろうなぁ。
“登り捨てる”人たちなんか、どーでもいい。
限界集落が増加し、廃村だらけ、放置林だらけのお山で登山ができるのは、
石や丸太を担いで登り、荒れる登山道を整備してくれる人たちがいるからこそ。
百名山完登より、何十倍も素晴らしい。
「昔はよかった」
なんて云うくらいなら、吸い殻のひとつでも拾って帰れってんだ。
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