たま~に、「つい登りたくなって、仕事の合間に富士山、登ってきちゃいました。」
TVでそんなことを云う芸能人がいたりするので、
ふ~ん、そんなに簡単に登れちゃうのか~、
あんな体でも登れるんだから、俺なら楽勝! なんて思っちゃう人もいて、
ある人には励みになり、ある人には悪魔のささやきになる…。
読売新聞から、手ぶらで富士山・・・・遭難 お騒がせ 東京の22歳店員
2日午後9時45分頃、富士山の8合目付近にいるという男性から
「一人で富士山に登ったがライトを持っておらず、暗くて道がわからない。
怖いので助けてほしい」
と119番があった。
富士宮署などの山岳救助隊員6人が出動し、午後11時半頃、6合目(標高2490メートル)まで自力で下りてきた男性を保護した。
男性にけがはなかった。
同署の発表によると、男性は東京都中野区のパチンコ店店員(22)。
2日午後5時頃、静岡県側の富士宮口5合目から入山し、9合目(3460メートル)付近まで登ったところで断念して下山を始めたが、暗くなったため携帯電話で救助を求めたという。
男性は長袖のカッターシャツにジーパン、スニーカーの軽装。
食料や装備もなく、手ぶらだった。
富士山は1日に山開きしたが、6合目付近の気温は2度。
男性は登山歴もなく、「思いつきで登ってしまった」と反省した様子だという。
同署は「人騒がせな話。一歩間違えば命にかかわる」と訴えている。
中日新聞から、「富士山 甘く見るな」 思い付きで登山、遭難の男性救助
暗くて怖いので助けてほしい-。
富士宮署などは2日深夜、富士山の登山中に携帯電話で助けを求めた東京都中野区の男性(22)を救助した。
男性はこの日、ふらりと静岡に遊びに来ると、思い付きで富士登山を決行。
ライトなどを準備せず夕方に普段着のまま登り始めたが、山頂に着く前に音を上げた。
富士山開きの翌日に起きた災難に、富士宮署員は
「朝まで見つからなければ死んでいたかも。富士山を甘く見ないでほしい」
と十分な準備と注意を呼び掛けている。
同署によると、男性は2日午後9時45分ごろ、富士宮市北山の富士宮口8合目で
「単独で富士登山に来たがライトを持っておらず、暗くて道が分からない。怖いので助けてほしい」
と携帯電話で119番。
約2時間後に同署などの山岳救助隊6人により救助された。
男性はこの日、JR身延線とタクシーを乗り継ぎ、富士宮口登山道の登山口がある5合目に着くと、午後5時から登山を開始。
しかし薄手の長そでとズボン、スニーカーという街歩き用のカジュアルな格好で、ライトやかっぱも持たなければ、これらを入れるナップザックもなし。
9合目5尺までは歩いたが、周囲は既に真っ暗。
所々で積雪が残る中、山小屋を頼ったものの、事前予約していなかったうえ営業もしておらず、恐怖と寒さに負けて救助隊にすがった。
男性は年に2、3回、都内の高尾山に登った経験があった一方、富士登山は初めてで、救助隊の発見時は食料や飲み物を持っていなかった。
富士宮署員は「今の時季、5合目でも夜は気温が1けた台になるし、天気が崩れることも少なくない。
富士山に足を踏み入れるなら万全の準備を整えてもらいたい」とため息を漏らした。
富士山にはクサリ場やよじ登らなきゃなんないような垂直な岩場もないので、
根気と持続力さえあれば、登山経験がなくても登れます。
でも、思いつきで登れるのは夏だけ。
気温は100m登るごとに0.6度下がります。
風が吹けばより体感温度は下がりますが、6合目付近の気温が2度ということで、
風速5mでも体感温度は-9度、風速10mなら-12、3度。
暑い都心にいると、富士山頂はクーラーが効いた部屋ぐらいにしか想像できないだろうなぁ。
食べ物も持たず、軽装で、極寒の9合目までよくまぁ登ったもんだ。
あれ? 確か、静岡側は残雪があって山頂には行けないはず。
それで引き返してきたのか?
いまは山梨側からしか登れないってことも当然、知らなかったんだろうなぁ。
登山経験がないからこそ、無謀なことができるってこともあるし、
登山経験があっても昨夏のトムラウシの疲労凍死遭難なんて悲劇もあるし、
ビギナーズラック、恐るべし。
「暗くて恐い~~~助けて~~」って電話してきたそうですが、山の夜ってホントに真っ暗。
逆に月明かりがこんなに明るいのか!ってビックリするぐらい。
これまた、闇がない、不夜城暮らしの影響なんでしょう。
日暮れた山ではちょっとした物音でもよく響くし、遭難し亡くなった人がいるとかいないとか考えただけでも、
岩陰に誰かがうずくまってるように見えるときがあったり、あ~恐い恐い。
山は誰にでも開かれてるし、命を奪う時すら差別しません。
山が命を奪わなかったのは、また来いってサインかもしれないから、
しっかり反省したら、ちゃんと揃えるものは揃えて、次こそは山頂へ。
ちょうどいいタイミングで、田部井淳子さんが富士登山の本を出されてます。
日本人なら富士山に登ろう! 初心者のための安心・安全登山術なんてストレートなタイトル (^_^)
富士山についてはいろんな本や雑紙の特集などもたくさんあるので、
「ふらっと登ってきました」みたいな人の話は無視して、とりあえず、ちゃんとした情報をベースに準備しましょう。
子供でも登ってるんですから、(天候にもよりますが)ちゃんと準備さえしていれば、大丈夫。
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